ある日の私の身体の声 〜 二日酔い篇 ( 3 ) 〜

いつもの喫茶店のいつもの席に座る。

大きな窓の向こう側

どんよりした曇り空の下、人々が行き交う。


二日酔いはまだ抜けない。

もう17時になろうかというのに

脳内には相変わらずの重低音が響いている。


その重低音を抱えたまま

静かに眼を閉じ

脳になってみる。


ワタシ(脳)は出て行こうとする。

どうにかして頭の中から飛び出したいのだ。

ただ、それには頭蓋骨が邪魔をする。

脳は思い出す。

意識だけを抜け出させる方法を。

意識は抜け出し外の空間を自由に行き交う。


意識を無事脱出させ、

やれやれと

脳はその底面から4本の短い足を出し

どっしりと頭の中に腰を据える。


意識は何処にでも飛んでいける。

望むなら次元だって超えていける。

けれども

あんなに抜け出したがっていたのに

その実、じつは

自由に何処でも行けることを

意識は望んでいるのではなかった。

何故ならちっとも楽しくない。


意識は自らの意思で脳の中へと戻っていく。


いつの間にか重低音は鳴り止み

脳内が生き生きと満ちていく。

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